労務協会Q&A

最近、メディア等でも取り上げられている「時間外労働の上限規制」について教えてください。

従来の日本型雇用を見直そうという観点から、政府によって「働き方改革」が推し進められています。
その中でも、大手広告代理店社員の過労自殺をきっかけとして急速に審議が深まり、「働き方改革」の目玉となっているのが、時間外労働の上限規制であり、今後の企業実務に大きな影響を与える内容となりますので、確認していきましょう。
現段階で提示されている主な内容は以下の通りです。

1.罰則付きの時間外労働の上限規制導入
現行の時間外労働の上限規制については、厚生労働省の「時間外限度基準告示」(以下告示という)によるものであり、罰則も法的拘束力もありませんでした。
そこで、今回の上限規制では「告示」を「法律」に格上げし、強制力を持たせ、限度時間を超えると罰則が課されるようになります。

2.上限規制の基本的枠組み
上記で述べた時間外労働の上限規制は、現行の告示と同じく、原則として月45時間かつ年360時間(1年変形の場合は月42時間、年320時間)
この場合、法定休日労働時間は含みません。

3.特例による例外的措置
特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定(特別条項)を結ぶ場合に特例として年6回(現行と同じ)まで限度時間を超えることができます。この場合の上限が年間720時間です。(法定休日労働時間は含まない)
この他、限度時間を超えて働かせる場合、以下のような条件が存在します。
・2ヶ月ないし6ヶ月平均で80時間以内(法定休日労働時間含む)
・単月で100時間未満(法定休日労働時間含む)

上、「時間外労働の上限規制」の大まかな部分を述べましたが、決定されていませんので、今後の動向が注目されます。これらを含め「働き方改革」が進められると、中小企業においても労働環境が大きく変わってくるでしょう。